最高裁判所第一小法廷 昭和32年(あ)2716号 決定 1958年3月06日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人小泉盛之助の上告趣意第一点は、原審で主張、判断のない第一審判決の判例違反をいうもので、原判決に対する攻撃とは認められないから、上告理由として不適法であり(そして、恐喝罪における害悪通知の方法には制限がなく、言語によると文書によると、動作によるとを問わないものであるから、第一審判決判示のごとく被告人が被害者に判示暴行を加え更に判示のごとく申向けて同人をして若しその要求に応じないときは更に暴行等如何なる危害を加えるかも知れないと畏怖せしめたような場合には、暴行が害悪通知の方法となるものであること論を待たない。)、同第二点は、量刑不当の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条一号、二号を適用すべきものとは認められない。
よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 斎藤悠輔 裁判官 入江俊郎 裁判官 下飯坂潤夫)